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ミルキーウェイ(HD)

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ー 7月 ー
いよいよ間近に迫った夏ツアー!
連日リハーサルや打ち合わせに追われ、僕たちは忙しい日々を送っていた。

そんな中、今朝スタッフの一人が気晴らしにと持ってきてくれたのは一本の笹と・・・キラキラした笹飾り!
それをスタジオの入り口に飾り付け、朝来た人たちに色とりどりの短冊を渡していたのだった。

『おはよー!』
『あっおはようございます!浅倉さん、良かったらコレ!書いて下さいね♪』
そう言って僕の手に置かれたのは、青い短冊。
懐かしいそれに思わず笑みがこぼれる!
『ありがとう!後で書いて付けとくよ!』
そう言いながら、お願いごとは何にしようかとワクワクしながらドアを開けると・・・

『大ちゃんおはよー!願い事は決まったー?』
と、先に着いていたヒロがニコニコと話しかけてきた。
『おはよー!まだ決めてない。何にしようかな~・・・と・・アレ?』
僕が落とした視線の先、ヒロの手のひらには同じ青い短冊。

たまたまなのか、スッタフの計らいか・・・何だかちょっと嬉しくなった!だって・・・お互いの好きな色////

・・・何だか急に乙女モードな自分が恥ずかしくなって、僕はそそくさとヒロの前を通り過ぎようとするも・・・
すぐにヒロに捕まってしまい顔を覗き込まれてしまう。
『だーいちゃん!何で逃げるの?』
僕は赤くなった顔を見られたくなくて咄嗟に俯いたんだけど・・・。
『だーめっ!ちゃんと目を見て話そ!ほら・・・♪』
すぐにヒロの両手に挟まれて視線を合わせられてしまった・・・///
真っ直ぐに僕を見るヒロの優しい目。

ー きっとヒロにはバレてる。何時だって僕の気持ちは筒抜けなんだから・・・///

結局白状させられ、ますます居心地の悪くなった僕が逃げ出そうとすると、今度は後ろから抱きしめられてしまう。
『大ちゃん!オレがここで見ててあげるから、願い事、書いちゃいなよ!』
『えぇ~!?今ここで?』
『だってオレ、もう書いちゃったし!  まぁ願いなんて1つしかないけど♪』
そうキッパリと言い、僕の唇に触れるだけの軽いKissを落とす。
そんなふうにされたら僕が弱いの、知ってるくせに・・・///

そう言えば!ヒロ、何て書いたんだろう?そっちも気になるなぁ。そうだ!
『ねぇ、僕が書いたら・・・ヒロのも見せてくれる?』
『オレの?・・・もちろん!いいよ♪だから、今すぐ書いて!そしたらリハの前には飾れるでしょ?』
『・・・??なんでそんなに急ぐの?帰る前でいいじゃん!』
『だ~め!早く飾った方が叶いそうな気がするでしょ!それに、7日は織り姫と彦星もデートで忙しいだろうし、人の願いなんて見てくれないよww』
『そういう問題?ww』
『そういう問題ww!』
言い切ったヒロが可笑しくて・・・僕たちは同時に吹き出した!

僕だってデートの邪魔はしたくないもんね♪
でも、お願いも聞いて欲しい我が侭だから・・・
 僕はヒロの前で願い事を書く事にした。
お願いごとはやっぱり・・・アレしかないって事かな・・・

それでもやっぱりヒロに見られたくなくて、僕は自分の腕で隠すようにしながら書き上げた。

『大ちゃ~ん!出来た?』
『うん!書けたよ!』
『じゃあ、せーので!いくよ!』
『わかった!』
「「せーの!」」

「「・・・あっ!!」」

同時にお互いの短冊を交換して見てみると・・・そこには何と!

ー  大ちゃんと(ヒロと)ずっとaccessできますように! ー

・・・『『ぷっ!マジで??  SCBT!?』』
それは見事なユニゾンとしてスタジオ中にこだました。

そして、僕らはひとしきり笑い合った後、二人で笹の一番高い所にその短冊を括り付けた。
『ねぇ、この願いって、叶いそうな気がするんだけど?』
僕の問いかけに、またあの優しい目をしたヒロが、大きく頷いて・・・
『オレもそう思う!だって、二人分の思いはメチャメチャおっきいからね!届かないはずないよ♪』
そう自信満々に笑顔で言い切った。

ー ヒロ、僕はね、思いの大きさじゃなくて・・・ヒロがそうやって言い切ってくれるから叶う気がするんだ!だから、ヒロ、ありがとう♪

僕はヒロの横に並び、大きな七夕飾りを二人で暫く眺めながら心の中で囁いた・・・。